自 己 紹 介

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京都市在中。自宅近くの嵐山周辺の西山や、桂川がホームグラウンドです。 現在飼育中の、数種のカエル・トカゲ・ 昆虫・鳴く虫の飼育記や、植物・ 野生生物を中心とした自然観察記、 釣り・山登りのレポートを記事にして いる、自然をこよなく愛す40代です(*^_^*)

2014年1月24日金曜日

ころもだこ 2

お決まりの漁港には、
お決まりの場所があるわけで、
私の場合も、空いていればその「定位置」に居座るのである。
その釣座は、以前、大釣りなどのいい思いをした場所で、
海底の様子も、どこに、どんなストラクチャーがあるのか、
ほぼわかっている為、根がかりも少ないのだが、
そこまで来るには結構通わなければならないし、
その場が悪い場合に備え、同じ漁港内でも
いくつかそのような場所を、順位をつけ確保しているのである。

若狭周辺の小さな漁港は、おおまかに言えば
長方形の一辺に船が通る口(航路)を開けたような作りが一般的で、
少し大きな漁港になると、この基本形が2つ組み合わさったり、
沖に一文字波止がつく構造になる。

その日は、釣り人は多かったが、運良く一番のお気に入りで、
過去の実績もある場所に入ることができた。
長方形の「長辺部」の真ん中辺りの釣座は、
湾内と外海の両方狙え、外海側にはテトラが入っているので、
魚やイカ達の絶好のポイントとなっている。
長辺部の最先端は、小さな赤灯がともる灯台(灯台と行っても、
物干し竿にランプが付いたような簡素なものであるが・・・)があり、
潮通しがいいので高ポイントなのだが、必ずといっていいほど先客がいたり、
先客が帰って、いざ釣りを始めても根がかりが多く、
あまりいい思いはしていないので、ホントのタマにしか入らない。

その長辺部湾側で釣りを初めて少し立った頃、
向かいにある短辺部に、3名ほどの若い釣り人が入ったようだ。
“3名”と言うのは、なんせ暗いのでハッキリとはわからない。
しかし、バスフイッシングの流れから、最近は若いエギンガーの方々が増えており、
本当にグループやカップルの方をよく見るようになった。
一昔前の漁港の風景といえば、「家族連れのサビキ釣り」や
年配の方の「サヨリ釣り」と言う光景が一般的であったが、
その頃に比べると、釣場には若い方が増えて賑やかになった。

レジャーの多様化で、釣り離れが叫ばれる中、
アングラーが増えて賑やかになるのは、私達のような旧人類アングラーや
釣り業界にとっても、嬉しい事なのである。
だが、“その賑やかさが「場違い」になっていることも多々感じる”と書けば、
私も中年になり、年をとったのかもしれない。

思い起こせば、小学生の頃。
学校が終わると自転車を飛ばし、桂川に友人達と
雑魚釣りへよく行ったものだが、ヘラ釣のおじさんから
度々「うるさい!魚が逃げる!」などとお叱りを受けた覚えがあるので、
気持ちはわからなくもないし、私がへら釣りのおじさんと
同じ年令になったと言うことであろうか。

さて、少しそれてしまったが、先ほどの話に戻そう。
彼らの賑やかさは“度を越した”ものではなかったが、
それでも彼らの会話の内容や話声は、
ただ波の音だけが静かに流れる夜の漁港にとっては、
人数や人物像を連想させるには十分であった。

そんな中、事件は突然起こったのである。

「うわっ!なんやコレは!?」
「きもちわる~!」
「こんなん見たことないで!!」

彼らが口々に発する突然の絶叫は、明らかに動揺をみせていた。
その、賑やかな声はより一層大きくなり、
私以外の釣り人たちも(暗くて確認する術はないのだが)
きっと一斉に彼らのほうを向いたに違いない。
そして、「一体何が起こったのか?」、「一体何が出たのか?」
興味津々に思ったことであろう。

しかし、一番驚いたのは現実に奇々怪々なモノを見た彼らであろう。
今まで見たことがないもの、しかもそれが彼らの言葉によれば
相当「気味が悪い」ものなのだから・・・。

その彼らから、続けざまに発せられた言葉に、
私は、「気持ち悪い奴」の正体に確信を持った。

「イカか?タコか?何かわからん!」

「はは~ん。出やがったな」
慌てふためく彼らとは逆に、正体がいち早くわかった私は、
しばらく彼らのやりとりに耳を傾けることにしたのだった。

・・・つづく



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2 件のコメント:

魚菜 さんのコメント...

Sigeさん

ひっぱりますねえ(笑)
次はブツが出てくるかと思っていたら
冬眠の様子で、ずっこけました(笑)

真冬の夜の海は
よく潮が引くし
何か出てきそうで
わくわくします。

ではでは
また
おじゃまします。。

SIGE さんのコメント...

魚菜さん。こんばんは。
「ころもだこ」ついに完結です。
当初予定よりも、あまりにも長くなったで、
インターバルの意味合いで冬眠を入れましたが、
ズッコケて頂けたなら、それはそれで、
「面白い構成になったなぁ」と、ほくそ笑んでおります(^^)