自 己 紹 介

自分の写真
京都市在中。自宅近くの嵐山周辺の西山や、桂川がホームグラウンドです。 現在飼育中の、数種のカエル・トカゲ・ 昆虫・鳴く虫の飼育記や、植物・ 野生生物を中心とした自然観察記、 釣り・山登りのレポートを記事にして いる、自然をこよなく愛す40代です(*^_^*)

2018年5月31日木曜日

消えたキンラン(盗掘被害)

以前、このブログで紹介したキンランが、
2年前に忽然と姿を消しました。
仕事が早く終わった時に、フラッと立ち寄れるような近場での
貴重な野生ランだっただけにホント残念です。
在りし日のキンラン
道の脇のかなり目立つところにあったので、
いつかこうなるんじゃないかと心配していましたが、
完全に盗掘です。

そもそも、キンランはラン菌に依存する率が非常に高く、
盗掘しても植栽での育成は不可能と言われています。
これは、ラン愛好家のみならず、自然を愛する方々には周知の事実なのですが、
中には、その様な知識も持ち合わせず、単に「キレイ」とか、
「珍しい」からと盗掘される事が後を絶ちません。

例えば、今や沢山の園芸品種があるエビネやシュンランも、
元々は山採りのものを、長い年月掛けて品種改良が重ねられてきたのでしょうが、
昨今の採り方といったら、それはもう酷いもんで、
数あっても根こそぎいってしまうようです。

毎年、きれいな花を咲かせていたササユリも、
ある日を境に忽然と姿を消しました。
自然環境が破壊されて数を減らすこともありますが、
何と言っても人の盗掘による被害も大きいようです。

カタクリ自生地の管理をされている方も、
「鹿の食害も多いが、一番危ないのは人間」と言っておられました。

山から持って帰って鉢植・地植で育てられる植物ならまだ、
その植物にとっても救われようもありますが、
キンランやその他の腐生ランは、生育不可能です。

他に探せばあるかも知れませんが、今の所、
この二株だけだったので、毎年の楽しみが減り本当に寂しい限りです。

2018年5月28日月曜日

初夏の山散策・京都市(山芍薬・コケイラン・天南星類・采配蘭)

5月といえども、異常なまでの暑さに心底参りそうな今日此の頃ですが、
皆様いかがお過ごしでしょうか?
当方は早々と、育成中の植物棚に遮光シートを張り、
夏越しの準備に取り掛かっています。
(たった一日でウラシマソウの葉が、一部葉焼けしてしまった為)

さて、そんな中、暑い街を離れ、涼を求めて京都市内の山に散策へ行ってきました。
ホント、こんなに早く夏が来てこれから先どうなるんでしょうね・・・

では、散策開始です。

実はですね。
私、まだ自然のヤマシャクヤクの花を見たことがないんです。
いえ、自生地はたくさん知っているんですけど、
時期的に合わないっていうか・・・
既にこのように実になっているか、
若しくは蕾の状態ばかりなんです。
ヤマシャクヤクは一草一花で、しかもあっという間に散ってしましますからね。
限られた休みの中でタイミングよく行くことが難しいのです。

天南星類も魅力的で好きな植物ですが、
残念ながら、分類がすこぶる難しく、
同定できないものも多々あります。
同じ林床内で。

ナツエビネが、木の股で群生していました。
鹿や人(?)の難から逃れるためにか?それとも、
木と相性が良いのか?とにかく、ナツエビネは木に登りたがる傾向にあります。

なので、木の近くにもナツエビネが有るのですが、
冬の雪に耐え忍び、なんとなくくたびれた感じがします。

それでもキレイな新芽を上げています。
地エビネは、葉の展開と同時に花をつけますが、
ナツエビネは葉が展開した後、花茎が上がってきます。

別アングルで。

暫し天南星ギャラリーを。
ま、個人的にはテキトーに同定していますが、
誤っていると思いますので、もっとしっかり同定できるようになったら、
紹介させていただこうと思います。


葉に鋸歯。
もしかしたら、絶滅危惧種のキシダマムシグサ(ムロウマムシグサ)かもしれません。
ムロウマムシグサとムロウテンナンショウは異なるテンナンショウです。

名もなき小さな滝の傍には、山菜で有名なウワバミソウがあります。

そして、花をつけつつあるボタンネコノメソウ。
とは言っても、地味な花なので面白くありませんが、
京都府のレッドブックでは要注目種になっているので、
ある意味貴重なんでしょうね。
・・・私はよく見ますが。

ウワバミソウの花。
コイツも地味~

又々、木に登ったナツエビネです。
これなんかほぼ垂直ですよ。
ナツエビネって着床ランか?ってぐらいに。

それにしても、木の上がよっぽど過ごしやすいんでしょうね。
去年の朔果跡が残っています。
木の上に居ることで、風雪にも程よく耐えるのでしょうね。

やはり、木下には川が流れ、空中湿度が程よく保たれています。
鹿の食害は無いでしょうが、人間による被害が心配です。
以前、このブログで紹介したキンランは、2年ほど前に盗掘被害に会いました。
ご存知のようにキンランは共生菌への依存度が高く、
園芸育成が不可能なランです。
その程度の知識しかない人間に、ランの育成が出来るはずがありません。
先日も行ってきましたが、キンランの無い現場を見て、ほんと悲しい限りです。
(ギンランは目立たないためか健在)

コケイランが花を咲かせていました。

ササエビネの名の通り、笹の葉様の2枚葉が特徴です。


ピンぼけ。

近くにはサイハイランの群生が。


花茎を上げていますが開花までもう少し。
やはりピントはミヤマカタバミに。
カメラの性能上仕方ないですが。

キエビネ発見!

でもね、山間にある家の多分(境界がわからない)敷地なんです。
自然に見えるのですが、植栽でしょうね。

クリンソウ自生地。
白花は初見。


何故か赤すぎるクリンソウ


いや、色とりどりすぎるやろ~

これはハッキリ言えますよ。
アシウテンナンショウです。

これも何とか・・・
ミミガタテンナンショウぽいけどなぁ。
付属体がマッチ棒みたいな形なので違いますね。

折り返し部分も少し小さい気がします。
という事は、ムロウテンナンショウか?

 水のすだれが出来ている切り通しには、
イワタバコがこれでもか!ってくらい群生しています。




開花期はきっとキレイでしょう。

クジャクシダ。
キレイなので大好きなシダです。
クジャクシダは、今までは京都市でも北方面にしか
無いと思っていましたが、最近、近所の山でも発見しました。

以上、春の山散策でした。

2018年5月18日金曜日

仕事帰りに近くの山へ・京都市(ミヤマウズラ・イチゲ・チゴユリ)

この日は午後3時に仕事が終了。
日も長くなったことも有るので、ここの所、早く終わった日は、
帰りに周辺の山へ出かけています。
今日はその中でも、案外山深く多様な動植物が生息する山へ。
2週間ぶっ通し勤務のGW中ですが、頑張っていってきました(5月1日)

今まで足繁く通ったはずの山でも新たな発見があります。
今日イチの発見はイチリンソウ(イチゲ)です。
何が一番かと言うと、その大きさ。
花の直径が4cm程有る大イチゲです。
勿論、何度もイチゲは見ていますが、
いつもは花の大きさは2cm程。
何だか嬉しくなります。

 次は小さな林。ここには面白い植物が・・・
チゴユリです。

この様な、木漏れ日の有る林に群生します。
葉の先の小さな花がカワイイですね。

チゴユリは、ホント 花期が短いですからね。
タイミングよく現場に行かないと花期を逃します。

双頭のモノもありました。

恒例のカンアオイ観察です。
 文様もさることながら、カタチがいいですね。
ベース型。
他にも、亀甲型など面白いものが有りましたが、
程々にしまして・・・

ツルリンドウです。

さて、ラン科を探せば・・・
 おなじみのミヤマウズラです。

いたる所にたくさんあります。
スギの落ち葉が多く被さっているので、
気をつけないと踏んづけてしましそうなぐらいの群生です。
ハデ紋はあまり多くない物が多いですね。
そんな訳で、仕事帰りの近所の山でした。


2018年5月12日土曜日

そうだ!エビネの花を見に行こう!・京都市(エビネ・春蘭・ジュンサイ他)

早くも春が終わり、新緑がまぶしい季節になりました。
毎年GWは休みが無く、今年も2週間ぶっ通しで働きずくめ。
折角の春の花の花期を逃しまくりなのですが、
北の方ならエビネをはじめとして、春の花が見られるのではないかと・・・
とにかく、北へ向かって出発です!

今回のテーマは、「行ったことがない場所でエビネを見よう!!」です。
しかも、私が住んでいる「京都市で」と言う課題も加えてみました。
少々ハードルが高いかも知れませんが、鍛え抜いた【?】千里眼を持って、
必ずやエビネを見つけるぞ!(5月10日)

ココの所、極端に暑い日・寒い日が交互にやってきて
中々難しい日が続いていますが、この日は寒い日。
道路の温度計が8℃を表示し、ホンマに5月中旬?ってくらいに寒いです。

先ずは、ヤブレガサがお出迎えです。
*6月14日追記:ヤブレガサではなくハンカイソウでした。
本日、現地にて確認いたしました!
ハンカイソウは、一部では有毒と言う説もあります。
食べなくてよかったです。
ヤブレガサは、茎が分岐しません。

山菜としても有名ですが、実は、第一芽は既に成長し、こんな感じです。

ヤブレガサは、いつもルーティーンで通うフィールドにも有るのですが、
ココの群落はかなり大きな群落です。

丁度、食べ頃のサイズなのでしょうが、
あくまでも今日はエビネ探し。写真だけ撮ってスルーです。

ウロウロしていると目の前に池が。
山間の池は、いつも見ているのとは違う
動植物が見えるのでワクワクします。

全体的にはヒルムシロ。
それに加え、切れ込みの葉はヒツジグサ、丸葉はジュンサイでしょう。
岸から離れているので確認しづらいですが、間違いないと思います。

コチラはミクリかな?

透明度は高く、底までよく見えますが、
動物系は、イモリと動きが早すぎて魚種不明の小魚のみ。

ここにもハンカイソウの大群落が・・・
ハンカイソウって日陰に育つイメージが有りましたが、
ここのは、何も遮るものがなく日光が降り注いでいます。
ヤブレガサやハンカイソウは、トリカブトの葉と良く似ていますが、
大きさが全く違うので間違うことはないでしょう。
でも、ハンカイソウの子株は、ホント似てます。

山道を登っていきます。
しかし、目当てのエビネは見つからず・・・
暫くは、カンアオイを楽しみながら歩きます。

リスがいました。
野生のリスは案外見るので、「写真を撮ってやろう」と思うのですが、
動きが早すぎて、今まで一度も撮ることが出来ません。
今日も見てる間に森の中へと消えてしましました。

虫食いがなければ。
美しい亀甲紋です。

コチラはほぼ無紋

うっすら亀甲紋が出かけている個体。
葉の形がいいです。

オーソドックスなタイプですね。

結局。エビネはなかった(見つけられなかった)ですが、
ラン科では、こんなものが多かったです。
ラン科ツレサギソウ属の小葉か、
もしくは芽出し直後の個体だと思います。
ユリ科も単子葉植物なのですが、葉の光沢が全く違うので。

この辺りは、季節が1ヶ月ぐらい遅い感じがしますので、
これから葉が展開するのかも知れませんが・・・
分かりませんが、ざっと見た感じ、やっぱり小葉ですね。
という事は、どこかに親株が有るはずなんですが。

近くにもう一つ池がありましたが、
ここは、全体的にジュンサイ&ミクリが生えていました。


ここにも、ラン科ツレサギソウ属とおぼしき小葉が。
やっぱり親株はありません。

場所を移しまして、別ポイントへ。
春蘭が咲いていますが、やはり、いつも行く近くの山よりも、
1ヶ月ぐらい季節が遅いようですね。

葉で隠れていますが、右下にもう一輪咲いています。
 最近、春蘭をよく見ますが、どこも手が届かないような崖の上ばかり。
この様な場所を好むこともありますが、
手が届く所は、多分、持っていかれているのでしょうね。

さて、エビネ有りました!
やはり急斜面で、見上げなければわからないような場所でした。

少し歩き、登れそうなところを探してエビネまで近づくことが出来ました。

丁度、見頃です。
下の花にナナフシの幼虫がいました。


去年の葉を見た所、結構な大株のようです。



はじめての場所、しかも京都市内でエビネを見つけると言う課題を無事クリアし、
帰路につきます。

途中、ヤマシャクヤクの群落を見つけました。

しかし、何故か、一株も蕾や花がついていませんでした。
ざっと見た所、広範囲に20株くらいは有ったのに全く不思議です。
春は、いろんな植物の芽吹きが見られ、
動物たちの動きも活発になります。
私は、この季節が大好きですが、ホント足早に去っていきますね。
そんな訳で、楽しい春のひとときを堪能しました。