自 己 紹 介

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京都市在中。自宅近くの嵐山周辺の西山や、桂川がホームグラウンドです。 現在飼育中の、数種のカエル・トカゲ・ 昆虫・鳴く虫の飼育記や、植物・ 野生生物を中心とした自然観察記、 釣り・山登りのレポートを記事にして いる、自然をこよなく愛す40代です(*^_^*)

2013年12月15日日曜日

「モズのはやにえ」考~はやにえの謎に迫る~

フィールドでは、モズのはやにえを見かける季節になりました。
しかしモズがはやにえをする理由は未だ謎。
ここでは、私の持論ではありますが、モズがはやにえをする理由を考えてみました。
冬を前に。京都・西山にて

《モズのはやにえ》・・・冬を前にしたモズが、
獲物を木の枝などに刺す行為。“はやにえ”=生贄のことで、
生きたまま刺される獲物が、モズに食べられることもなく、
あたかも生贄を捧げているように見えることから。

はやにえは、秋に見られることから、食料の少なくなった冬に、
モズが食べる「保存食」と考えられてきたが、モズが食べずに放置していることも多く、
その行為は未だに謎だらけで、はっきりとした理由は分かっていない。

「モズのはやにえ」に関する概要は、このようになります。
このブログをご覧の皆様であれば、このような光景に出会われたことが
ある方も多いのではないでしょうか?
写真の様に、カエル以外にも
コオロギ・バッタ・トカゲ・ムカデ・小魚・野ねずみ等を
くちばしを使って器用に刺していきます。

さて、このはやにえ。
複数のWebページによると、保存食説以外にも・・・
・食べやすいように、獲物を木の枝で固定する。
・モズは動くものを取り敢えず捕まえ、取り敢えず木に刺しておく。
・捕食し食べようとしている途中で、敵が近づいてきた。
などと、いくつかの説が有るようだが、どれも疑わしいものばかりです。

夏は北方や高地へ避暑に出かけていたモズは、
秋になると里山へ降りてきます。
そして、自らの縄張りを誇示するため、
「高鳴き」と言う、とても攻撃的な鳴き声で盛んに鳴きます。
この時期は、性格も一変するようで、
縄張りを犯す他鳥には、メスであろうと容赦ない攻撃が加えられ、
生き物を無造作に殺戮を繰り返す「はやにえ」が行われます。

ちなみに、農家などでは「もずの高鳴き75日」と言われ、
高鳴きを始めてから、75日で霜が降る=【24節気の霜降(ソウコウ)は
10月27日ですから、モズの高鳴きの方が正確ですね】
と言うことで、昔から生活に密着した鳥であることは間違いありません。

《縄張り》
冬、モズは自ら設定した縄張りの中、一羽で冬を越します。
縄張りを守り続ける理由・・・それは、厳しい冬を乗り切る為、
生きる、いや、生き続ける為の餌場でもあります。
ただでさえ少ない獲物を、他者に邪魔されず確実に仕留める為の
生きる為の仕組みなのです。

縄張りを持たない場合、モズは少ない餌を巡っての
“餌の取り合い”が起こってしまいます。
例えると、子供の頃遊んだサッカーのようで、
ボールが飛んでいった所に、全員が「ワーっ」と集って一つのボールを奪い合う。
こんな感じに似ているのではないでしょうか?
縄張りを持ち、その中のエモノに他鳥は手出しできないと言うルールが
あってこそ、餌の少ない厳しい冬を乗り越えられるのです。

《繁殖》
又、縄張りを作ることは、来るべき春の繁殖シーズンに
向けての布石なのであります。
春、2月の中頃には、モズは縄張り内で繁殖行動を始めます。
この頃聞かれるのが、「さえずり」。
さえずりというのは、モズの求愛の言葉です。
ウグイスの「ホーホケキョ」が有名ですね。
モズの場合、このさえずりにいろいろな鳥の鳴き真似をするのです。
そのことから、モズは「百舌鳥」という、
恐ろしく字余りな(・・・どう考えても一文字たらんでしょ!)あて字が付けられました。
繁殖行動~産卵~巣立ちは、全て秋に雄モズが設定した
縄張内で行われます。

《今日のテーマ:はやにえの核心にせまる》
さて、このように見てまいりましたが、いよいよ
今日のテーマ:はやにえの核心に迫っていきます。
多くの方が指摘しているように、モズがはやにえと称した殺戮行動を取ることは
、現在のところ謎に包まれております。
「なぜ、何のためにはやにえを行うのか、誰にもわからない」のです。

しかし、私は、こう考えます。
それは、ズバリ縄張りです。
「ん?どういうこと?縄張りは高鳴き&威嚇行動では?」
・・・そうです。
それも一つの縄張りの確保術であります。
モズ自体が行う直接行動です。
この方法(直接行動)では、絶え間なくモズが縄張り内を見張ることになります。
もちろん、この直接行動こそ縄張りを守る為に、最も有効なのは明らかなのですが、
いくら、モズが電柱や高木などの高いところで見張り続けていても、
一匹で大きな縄張りを見て回るのは大変な事です。

そこで、必要になってくるのが“はやにえ”。
つまり、木の枝に獲物を刺して、自分の縄張りを、視覚的あるいは嗅覚的、
又は、その両方でアピールしていると考えます。

視覚的と嗅覚的の理由を個別に見ていきましょう。

①視覚的・・・モズにしかわからない刺し方やルールがあり、
        それを互いに見分けることによって、モズ同士がテリトリーの
        確認を行っている。 いわゆる“立て看板的”な効果。

②嗅覚的・・・獲物に唾液や分泌液などで匂いをつけ、
        他のモズに対するテリトリーのアピール効果。
        例えば、猫のマーキングのようなもの。

以上、モズのはやにえ似対する、私の持論でした。
合っているかどうかは、今のところわからないですが、
この様に、いろいろ考えるのって面白いですね。
皆様も一度、はやにえの理由を考えてみたらいかがでしょうか!


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3 件のコメント:

Unknown さんのコメント...
このコメントは投稿者によって削除されました。
Unknown さんのコメント...

はじめまして。
私も縄張り説を支持します。
と言いますのも、以前、家のベランダに飛んできて餌をねだるほど馴れたモズがいたのですが、こいつに餌(コオロギ)をやると、ある程度お腹がいっぱいになるまで食べた後は、全部早贄にするためにどこかに持って行ってしまうのです。
当然、うちの庭にもいくつか刺さったコオロギがあったのですが、これを全く食べようとしません。早贄が庭にいくつもあるのに、次の日にはちゃんと餌をねだりにやってきて、ひとしきり食べ、また懲りずに早贄をつくるのです。

また、彼(オスでした)は非常に器用で、与えたコオロギをくちばしだけでうまく頭だけ潰して飲み込んだり、ある時など飛んでいる蜂を捕まえ、頭を潰した後、足でつかんでお尻の先の針だけくちばしで切り捨て、食べていました。

つまり、
・早贄はわざわざ作るものであり、とりあえずやっているような行為ではない。
・敵が来たから保存して逃げるためのものでもない。
・食料保存の性質は全くない
・足が器用で、片足でつかんで餌を食べられるので、木に固定する意味もない。

ということで、既存の説は全く的外れです。おっしゃる通り、縄張りの可能性が一番高いと思います。

SIGE さんのコメント...

thug19さん
はじめまして。
そして、ナトンという実践的なコメント!
誠にありがたい限りです!!

最近は、植物中心で、モズのはやにえ研究についての進歩はないのですが、
持論に賛同&根拠まで示して頂き、とても力強く感じます。

これからも、モズ情報に進展がございましたら、
教えて下さいませm(_ _)m
よろしくお願いします。