原理としては、煙で食品を燻す事(スモーク)によって、
①煙が持つ殺菌・抗菌作用で食品の保存性を高める
②煙と食材の化学反応により、食品から水分を減らし、保存性を高める。
③燻すと同時に加熱することによって、効率のよい調理ができる(温燻・熱燻)
④色々な木の香や色を食品に付けることにより、食品の味、香りの向上を図る
などの、作用があります。
もともとは、食品の保存性を高めるのが主な目的でしたが、
現在では、多様な燻煙法により、保存性よりも
むしろ風味や味わいを楽しむ「調理法」の一つとして多く普及しています。
では、次に「多様な燻煙法」というのを紹介いたします。
燻煙法
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温度
時間
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特徴
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代表食品
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冷燻
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15~30℃
数時間~
数週間
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出来るだけ熱を加えずに燻す燻煙方法。
熱源から出る煙を冷やす必要があるため、背の高いスモーカーを用いたり、熱源部と本体をホースでつないで、その間で煙を冷やすなどの工夫が必要。装置もテクニックも最上級の燻煙法。時間をかけてゆっくりと燻すので、食品が途中で傷んでしまわないように、塩分濃度が高く、じっくり燻すことで、出来上がりの水分含有量は少なくなる。
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生ハム・スモークサーモン・ドライソーセージなど
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温燻
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40~60℃
3~5時間
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中温域で燻す方法。冷燻の良さを残しつつ、少し温度を加えることで、短時間に仕上げる最もポピュラーな燻し方なのだが、温度管理にこまめなチェックがいるため、チップよりウッドを使うほうが温度が安定しやすい。
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ベーコン・ハム・スモークチキン・チーズなど
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熱燻
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80~120℃
20分~
2時間
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高温で、熱を加えながら蒸焼きのような状況で燻す。短時間で燻しあがることから、手軽にスモークが作れる。アウトドアなどで、温度や時間を気にせずに燻すことができる。保存性よりも、木の香り(煙の香り)や色合いをその場で楽しめる「フレッシュ」さが魅力。
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ある程度の温度で燻すので、食材の幅は広い。「何でも」燻す事ができる
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和燻と洋燻
日本でも、古来より燻製が作られていたようです。
一説によると、縄文時代には既に、燻製があったという報告もなされています。
その頃は、勿論冷蔵庫なんてものはありませんでしたので、
捕れた獲物を保存しておく必要がありました。
この頃の狩りは、非常に困難を極めたことは想像に難くありません。
「今日は獲物が取れたが、次はいつになるやら」なんて感じでしょうか。
“保存”と言う、必要に応じて、編み出された燻製は、
恐らく、火を使う事を覚え始めた祖先達の、自然発生的な保存方法であったに違いありません。
それまでは、天日干しにしていても、ハエなどの害虫や突然の降雨などで、
オシャカにしてしまう事もあったでしょう。
「それなら、火の上にでも吊るして乾燥させようじゃないか!」と始めたところ、
煙の効果で、思いのほか保存性と味の向上が出来たのではないか、
和燻は、主に保存性に主眼が置かれていた・・・
こんなところではないかと考えますが、いかがでしょうか?
代わって洋燻は、保存性と同時に、味の向上に主眼が置かれていたような気がします。
いわゆる、一つの調理法として“燻製”が用いられてきたのです。
ソミュール液・ピックル液などの調理液が発達した事からも
その事がよくわかります。
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1 件のコメント:
燻製て前処理をどうするかという課題があるんですね。結構奥深いというか時間がかかるみたいで、尻込みしてます。
本年はワラビモチ作りのインスピレーションをいただき、とても楽しい経験が出来ました。
来年もよろしくお願いします!
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