涼を求めて、近くの山へ行った。
森で見つけた小さなシュレーゲルアオガエルに
夢中でシャッターを切っていた僕は、
突然「アイコ」にチクリっとやられてしまった。
「カエルと私とどっちが大事なの!!」
どうやら、アイコの逆鱗に触れてしまったようである。
彼女は、時々この様な状態になってしまうのだ。
もちろん、その原因は僕にあるに違いない。
僕の何気ない行動が彼女の触れてはいけない部分に、
知らず知らずのうちに触れてしまっているのだ。
こうなるとアイコには手を付けられない。
どうにもこうにも、にっちもさっちもいかないのである。
しかも、彼女は相当執念深いのだろうか?
アイコにそっぽを向かれ、一旦チクリっとされると
その後2,3時間は、僕の身も心もジンジンと痛んでしまう。
タマに、彼女の噂を聞くことがあるのだが、
皆さん一様に「チクリっ」とやられた経験があるらしい。
アイコは僕以外にも、僕の知らない所で「チクリっ」とやっているようなのだが、
異口同音に「気が強いけど上品だし、まさに女王だね」などと言うのである。
どこか憎めない存在が、アイコの魅力でもあるのだ。
でも、僕は傷ついた身と心を癒やすことが出来ないまま、
ショックと怒りに任せたままその場から去ってしまった。
「君とはもうサヨナラするよ!」
彼女は無言だった。
振り返ると、サラサラと吹く風に合わせるように
手を振っているように見えた。
僕と彼女のやりとりを聞かぬふりをして
目をつぶったままの件のシュレも、
さすがにどことなく寂しそうだった。
アイコにはしばらくは会わないつもりだ。
最低でも、来年の4月頃までは会わないつもりである。
でも、来年の4月に会う頃にはキチッと正装して、
白い手袋もはめてアイコを迎えに行くつもりだ。
彼女は許してくれるだろうか?
そして、会ってくれるだろうか?
もしかしたら、先に誰かのところへ行ってしまうのではないだろうか?
・・・少し不安な気持ちはあるが、
タマにはソっと遠くから、君を見つめるつもりである。
「アイコ!君は最高だ!大好きだよ!」
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出演
僕 (Sige)
アイコ (ミヤマイラクサ)
カエル (シュレーゲルアオガエル)
ロケ地 京都・西山
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ミヤマイラクサ・・・
関西では馴染みが薄いですが、
山深い信越や東北では愛されている山菜で、
「アイコ・エラ」などと呼ばれています。
我が、京都でも「府の推奨山菜」として、
採取・販売が推奨されています。
その味わいは、“山菜の女王”と評されるように
上品で「忘れられない味」であります。
ただ、難点なのがトゲ。
チョット触っただけでも「チクリっ」とやられてしまします。
しかも、このトゲには蟻酸が含まれていて、
2,3時間はジンジンと痛みます。
なので、手袋は必需品なのです。
ちなみに、蟻酸というのはハチの毒と同じ成分だそうです。
そりゃー、痛いはずだ。
でも不思議。
アイコのトゲもお湯で湯がくと綺麗さっぱり消えてしまいます。
調理としては、おひたしや胡麻和え、サラダなどに用いると
忘れられない味で、美味しく食べられます。
この味を味わうためにはトゲの一つや2つ!!
・・・って、やっぱり刺されるのはイヤですね。
それにしても「アイコ」とは・・・。
ググッてみると、実はアイヌ語らしいのです。
「アイコ」と言う名前が面白くって、
今回は趣向を変え擬人化してみました(^_^)v
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