このブログでも、ここ数日話題に取り上げているヒキガエルですが、
飼育個体と野生個体で、この時期(産卵期)だけに見られる変化があります。
以下の写真をご覧ください↓
この2枚の写真、どちらも同じ産卵場所で捕獲したヒキガエルです。
ただし、写真上段は以前捕獲して自宅飼育しているもの、
下段は今年野生下で撮影したものです。
撮影日は、どちらも同じ日です。
一体何処が違うのでしょうか?
①体色・・・飼育個体と野生個体では、体色が違います。
野生個体は明らかに黒っぽくなっています。
写真上段の飼育個体も、捕獲時は同じような体色(黒っぽい)をしていました。
しかし、捕獲後は、体色の変化が見られませんでした。
②皮膚・・・野生個体では皮膚のたるみが見られますが、
飼育個体には見られません。
少しわかりにくいので、下の写真を御覧ください↓
明らかに、体にシワがよっているのが見て取れます。
これは、陸生の傾向が強いヒキガエルが、
水中で行われる産卵行動に備えた変化なのです。
このようなことは、タゴガエルなどでも見て取れますが、
タゴガエルのように水際を生活の場としているカエルでも、
この変化は5月の産卵期のみです。
参考写真;抱接産卵中のタゴガエル (京都市内・洞窟にて) |
溺死してしまいます。しかし、産卵は水中で行われます。
しかも、ヒキガエルの卵を見てください。(コチラからどうぞ)
とても長いですね。
それだけ、水中にいる時間が長くなってしますのです。
昨年の小論「壮絶なるヒキガエルの産卵」でも記しましたが、
空気を吸えずに、溺死する個体も毎年数匹はでています(=_=)
それ故、少しでも水中に長く居れるように、
皮膚をたるませ、表面積を増やして皮膚呼吸にて
呼吸の補助を行っているのです。
ただし、あくまでもヒキガエルは肺呼吸なので、
いかほどの効果があるのかは分かりませんが・・・。
このような結果から、
飼育個体は繁殖活動の意志が見られなくなってしまったと、
考えることができると思います。
つまり、繁殖放棄ですね。
なぜこうなるのか?
今は推測でしか言えませんが、
やはり、野生下での冬眠ではないので、
微妙な環境の変化(温度や降雨など)が
感じとれないのかもしれませんね(((n;‘Д‘))η
屋根のない屋外での飼育だったら結果は
違ったかもしれません。
(当方は、屋外ですが屋根があるガレージにいます)
このことから、答えをだすのは短略過ぎますが、
①冬眠中の環境の変化が、産卵行動を促す
②飼育個体は、その微妙な変化を感じ取ることが出来ない。
③冬眠場所の選定は、その様な微妙な変化を感じられる場所を
本能的に選定しているのではないか?
(私は、未だ、自然下での冬眠場所を特定できていない(;_;))
この様なことが言えるかもしれません。
ただ、この答えを導き出すには、
少し時期が遅いですね゚(∀) ゚
例えば、この個体を産卵場に持っていけば、
繁殖行動を起こすのか?とか・・・
しかし、色々な感染症の関係もあり、
一度飼育したものは、再び放すことは出来ませんので、
実証は難しいですが・・・
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