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2014年1月8日水曜日

BreakTime・自然か?人工か?

産地偽装・日付の張替え・食材偽装・表示偽装・農薬混入・・・
食品に関する悪いニュースが事欠かない。

「食」というものは、我々が生きていく上で
必要不可欠な物なのですが、いつからこのようなことになったのでしょう?
本来であれば、「自然」の物をうまく調理して食べていたものが、
いつの間にか、「人工物」(この辺りは、食品業界では「加工」と言いますが)が
“食”の中心になっているような気がします。

ある日の読売新聞に興味深い記事が載っていました。
それは、一連の“食材・表示偽装”の報道が少し落ち着いた頃のものでしたが、
「加工牛肉」についてのものでした。

その記事の中には、赤肉に牛脂を加えた調味液を注入し、
見事な「人工霜降り肉」を作り出す業者が紹介されていました。
記者は、その肉を食した感想をこう述べています。
(手元に記事がないので、うろ覚えですが・・・)

「固くて噛みきれなかった赤身の肉が、調味液を注入した加工肉に変わる。
その柔らかさと味わいは、かなり美味で、赤身で感じた臭さもなく、
噛めば噛むほど旨味が出る」
・・・たしか、こんな感じだったと思います。

続いて、業者さんが言います。
「私は、この技術を長年の研究の結果、開発した」
胸を張って(新聞なので、実際に胸を張っていたかどうか分からないが(-_-))答えておられました。

後日、更に詳しく加工肉のことを調べようと、
ある業者さんのHPにたどり着きました。
記述自体は、「マスコミ」に向けてのものでしたが、
そこには、我々にも分かりやすいように
「加工肉」(正式には、インジェクション加工肉というそうです)のことが記述されていました。
リンク:http://www.koyamachikusan.co.jp/sab09103%20mascomi2.html

それとともに、“工場長”と記載されている、著者の
マスコミに対する、猛烈な批判が多く書かれていました。
一連の食材・表示偽装に関しての取材や誤報が多く、製造者としては、
怒りの気持ちでいっぱいなのでしょうが、
私が、これらの記述(新聞も含めて)を読んだ素直な感想としては、
「できることなら、食したくない!」ということでした。
“できることなら”と言いますが、知らず知らずに食べていることは、
多々あるでしょう。

日々通う飲食店、仕事帰りに立ち寄る居酒屋、コンビニの弁当・・・・
この様な所では、やはり知らず知らず食しているに違いありません。
しかし、加工肉も、何ら食品衛生法などの“法”に触れる商品ではありません。
安全性も、現在のレベルでは安全が実証されています。(あくまでも現在であって、
これからの研究や調査方法により、判定が変わる場合がありますが)

これらの事は、難しいですが、やはり、最後は本人の考えになってくるでしょう。
先ほど、私は「食べたくない!」と言いましたが、
加工肉自体を否定するのではありません。
むしろ以前は、好んで食べていた時期もあります。

スーパーに売っている「サイコロステーキ」です。
これは、端肉を集め結着剤で固めて形にした成型肉ですが、
私は、これが好きでした。
しかし、ある時、大手ステーキチェーンが、
この成型肉を使ったランチで食中毒を出しました。
(確か、0157かノロウイルスだったと思います)

自然の肉なら、肉表面に菌やウイルスが付着することがあっても、
内部まで侵入することは殆ど無いでしょう。(傷があるなどの場合はアウト)
だから、レアでも食べられるわけですが、
成型肉は、結着剤で固めるため、内部にまで雑菌やウイルスがつきやすいのです。
その上、注入する物によっては、アレルギーを引き起こす物質もあるといいます。

この辺りから、成型肉を食べるのが嫌になりました。
結論から言いますと、加工肉その物を否定するのではありません。
しかし、我々、消費者が「選べる」ことが必要になってくるのではないかと考えます。

私も、長きに渡り飲食に携わり、多くのメニュー表示を考え、記載してきましたが、
“表現”に関しては法も無く、ある意味「自由」でありました。
つまり、個人のモラルに委ねられてきたのです。
モラル高き方は、消費者に真実を伝える表現を行っていますし、
モラルが低い方は、やはりそれなりの表現になってしうのでしょう。
今回の、表示・食材偽装もこの様な“モラルの低さや、法の不備”から起こった事例であります。

現在の食生活から、調味料や、インスタント食品などの
人工食品を排除し、狩猟農耕時代に逆戻りすることは、
そのような食生活を実践されている、一部のナチュラリストの方を除き、
ほぼ、不可能であると考えます。
その為にも、食に携わる方々のモラルの向上と、
表記に関する法整備が急がれるのではないでしょうか。


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