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2013年10月6日日曜日

海を渡り、まちなかで生きるたくましいヤツ

開発で自然が消え果てた今の都会に、
一際大きな声で鳴く虫がいる。
「ルールールールー」。

この鳴き声は、不思議と山や河原などの、
自然が多い場所では聞くことがない。
多くは、公園や街路樹、とりわけ明かりが好きなようで、
国道沿いの街灯下の街路樹などは、彼らにとっては
格好の住処のようだ。

多くの鳴く虫が、人の気配や物音に敏感で、
それを察知すると、スグに鳴くのをやめてしまうのに対し、
この虫は、全く鳴き止む気配がない。
自動車のエンジン音やクラクョンでさえ、
彼らにとっては日常なのである。

写真中央:アオマツムシのオス
(福井県・小浜市。車の往来が激しい国道27号線沿いにて)
人が来ようが、車が通ろうが、
一心不乱に鳴き続ける。
しかも、かなり大声で・・・
アオマツムシ
それが、彼らの名前である。
アオマツムシは、もともと日本にいたわけではない。
いわゆる外来種であるが、その歴史は結構古く、
明治時代には、中国又は、南方から樹木と共に渡ってきたようである。
原産地がはっきりしないのは、古い記録が少ないからなのだろうが、
私個人としては、大きな体に、この色合い。
南方系を取りたいのだが、如何なものか?

外来種であるにかかわらず、しっかりと自分たちの住処を見つけ、
そして、しっかり自己主張する。
今やTVで人気者の外国人タレントのようだが・・・
オス個体
他の多くの鳴く虫が、きっと住まないような場所に住み、繁殖をする。
外国から来たことも踏まえれば、なんと適応能力のある
「たくましい」虫なのだろう。

虫嫌いの方や、鳴く虫に興味のない方からすれば、
「安眠を妨げる嫌なムシ」となるのであろう。
また、農家の方にとっては、樹木や果実を食い荒らす害虫であるに違いない。
しかし、彼らは生き延びてきた。
明治以来、百余年。
そして、これからも生き続けるに違いない。

メス個体
そんな彼らの努力?があって、
今や、秋の鳴く虫の中でも、よく知られた存在になっている。


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