◆◆酒造りのメカニズム◆◆
麹カビ(立派な生物なのだ)が、米を餌にして増殖する際に、米を糖化させる。その糖分を、イースト(酵母=こちらも生物)がアルコールに変える。⇒発酵
そして、美味しいどぶろくが出来上がる(^O^)
日本酒も、ほぼ工程は一緒だが、絞りや濾過に技が必要。
焼酎は、出来上がったものを蒸留し、アルコール度数を高めたもの。
酒類は、材料が違っても基本的にメカニズムは一緒。
★★材料★★
米・・・家庭用の白米で良い。もし酒米が入手できるなら、
尚良いものができるだろう。 5kg=2000円前後
3合の米を2合の水で炊く。
麹・・・乾燥黄麹を使用。300g=298円のものを250g使用。
ドライイースト・・・発酵を助ける。パン用のものでよい。50g=268円のモノを6g使用。
ヨーグルト・・・同じく発酵を助ける。1カップ=100円前後。今回は大さじ1杯使用
おいしい水・・・旨い酒は、いい米といい水から。 2L=100円前後。
使用量は1200ccとなっているが、今回は目分量で入れた。
この辺の分量はアバウトでもできるようだ。
(材料はいずれも、イオン・食品売り場で購入)
なお、仕込み容器は、ウイスキーが入っていた
4Lペットボトルの上部を切って使用する。
炊きたての蒸し米に、水を入れ温度を下げる。
炊飯米と仕込み水。 今回は、“養老山地の水”を使用。 「養老伝説」は、酒にまつわる物語。 どぶろく作りにはモッテコイじゃないか! |
そこに、分量の麹などを全て入れる。
以上。
工程は至ってカンタン。
仕込み時 |
仕込み時、炊飯米、麹等を加えて軽く混ぜる。この時点では水分量の方が
明らかに多い。
(?_?)ホントにあっているのか? ほとんど固形じゃないか! |
1時間後、コメが水分を吸い、固形物の方が多く、本当に液体になるのか心配。
水が少なかったかな?などとも思うが、基本に従い様子を見る。2時間後、早くもプクプクと泡が出てきている。発酵が始まっている証拠だ。
米・麹はほぼ形を残しており、表面は固形物が頭を出している。
8時間後、シュワシュワと発酵する音が聞こえる。細かい泡の中にタマに
中ぐらいの泡がポコッと上がる。早くも酒っぽい香りが漂う。
米粒はほとんど溶けたようだが、麹は粒が残っている。
酒は生きものだ!!!と、確信す。
発酵はピークか? 二酸化炭素(炭酸)の量は最高潮だ! |
◎◎2日目◎◎
19時間後。固形物(殆ど麹か?)が上部に上がってきているので攪拌。 この下は液体化している。丁度、湖に張った氷のようなイメージ。 |
いわゆるチョロシュワだ。固形物が表面に上がってきていたので、
攪拌する。だが、固形物はほとんどない。かなり液体部分が多くなっている。
ほんのり暖かいような気もするが、あまりわからない。
34時間後、今朝と劇的な変化はない。攪拌する。酒の醸造香は昨日より良い。
どぶろくっぽい香りになってきた。
麹が、乾燥麹で有る事に気がつき、「戻して使ったほうが良かったかも」と
心配になる。(但し、麹屋のHPによると、乾燥麹をそのまま使っても
効果は変わらないという)
それでも、今日も感じた。酒は生き物だ!!!。
◎◎3日目◎◎
42時間後、昨日から見た目はほとんど変化なし。シュワもあまりない。
もしかして、飲みどきを逸したか?これから出勤なので試飲もできず。
58時間後、帰宅後試飲。
シュワは微量であるが出ている。ちょっと気の抜けた
コーラのような感じか?
◆試飲感想◆
初めての醸造にしては旨い!というのが素直な感想。
ただ、絞る前なので、麹の粒がかなり気になる。
やはり昨日の予感は的中だ。次回からは
麹は戻してから使うことにしよう。
炭酸の具合もほどよい。欲を言うなら、もう少し香りが良ければ言うことない。
と、言うことで、この時点で絞りに入ることにする。
◆絞り◆
なんど、不覚にも絞りの段階で、我が家に漏斗がない事を知る \(◎o◎)/!
急遽の間に合せで、コーヒードリッパーを使うことにする。
ドリッパーに三角コーナーメッシュをかぶせ、メジャーカップに落とし、
それをペットボトルに入れるという、何ともまどろっこしい方法を採ることにする。
だが、これが意外な効果が・・・
メジャーカップへ落とすことにより、出来たどぶろくの量が分かるのだった。
今回のどぶろく造りで得られた量は1500cc=8.3合のどぶろくを醸すことができた。
◆本格飲み◆
市販の清酒よりアルコール分が高いと思われる。ちょっと飲みのつもりが、美味しいので、ゴクゴクと3合ほどやってしまった。
ほろ酔いの中、今回の反省と、次回の課題が浮かんでくる。
出来上がったどぶろくを、お気に入りの器で頂く。
土鍋で有名な信楽雲井窯・中川一辺陶氏の実弟で、
「雲井の里窯」を主宰されている睦氏の作品。
仕事上のお付き合いがあった兄様は、温和な方で愛想もいいですが、
弟君は、チョッと気難しい、もろアーティスト。
しかし、器と料理に対する妥協なき頑固な姿勢が本物を創る、信頼のおける方です。
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◆今後について◆
今回、初めてのどぶろく造りだったが、ある程度、満足の行く結果を得ることができた。今後の課題とすれば、第一に乾燥麹を戻す、又は、生麹を使うようにしたい。
絞ってしまえば同じかもしれないし、結果は違ってくるかもしれない。
その検証をしてみたい。
第二に、香り。
自分的には香りがもう少しあったほうがいいと思う。
どうすれば、香りが出るのか?それは現段階ではわからない。
米?麹?水?気温?それとも全く違う他の要素?
こちらも造って行くに従い、改善を図りたい。
第三に味。
概ね満足だが、今度はヨーグルト抜きで造り、味の違いを測ってみたい。
どぶろくが庶民の酒であった頃には、ヨーグルトなんてものは無かっただろうから・・・
それと、もう少し甘味が欲しい。京の女酒程ではないが、ホントもう少し。
こちらも、どうすれば出せるのか?やはりヨーグルトのせい?仕込み期間?それとも???。
◆酒蔵見学の経験は?◆
これまでに、沢山の酒蔵見学に行った。清酒だけでも10蔵ほど行っているし、焼酎でも黒麹を発見した河内氏の錦灘酒造サンや、
伝説の泡盛「春雨」の沖縄県・宮里酒造サンにも無理を言って見学させてもらったり、
ウイスキーのサントリー、ビールのキリンブルワリー、丹波ワインや、甲州のワイナリーも見学した。
でも今回、どぶろくを作ってみて、「見学って、今まで何を見学してたん?」って感じ。
本当の酒蔵見学の見どころを知ったような気がした。
次回からは、もっと見るべき視点が変わってくるだろう。
「酒蔵見学は、ただ見るあらず。自分が作る為にある」
と、格言が出来たところで、今回の総括は終わりにします。
でも、本当に今回痛感したことは、酒は生き物だ!!!と、いうことでした。
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Sigeさん
返信削除こんばんは
ブログ拝見しております。
秋の虫の日記はとてもディープなのでコメントを残せていません(笑)
ヒキガエルはもう冬眠の準備に入るのですか!早いですね。飼うのと別の目的で物色しています(汗)
学生時代にブドウを潰してワインを作って遊んでいましたが、どぶろくは作った事がないです。
画像の信楽の黒っぽい器がどぶろくの白さを引き立ててとても美味しそうに見えます。。
どぶろくですが、拝見すると意外に簡単に早くできるのに少々驚きました。一度に材料を全部入れると言うことは、麹も酵母も同時並行で働くということですよね。2段階の発酵なのでもっと面倒な作業なのかと思ってましたが、意外に簡単そうに作ってみえるのでびっくりしました。 ひとつ解らなかったのですが、ヨーグルトを入れる目的がいまいちわかりません。。
魚菜さんへ
返信削除今晩は。
発酵食品てすごいですね。
もともとの素材を、全く違うものに変えてしまう。
微生物たちにも感謝ですし、
経験から、色んな発酵食品を編み出した
先人たちにも感謝です(^人^)
さて、ヨーグルトの目的ですが、
今回初めての仕込みで、先輩の記述に従い
作成しましたのでよくわかりません。
日本酒特有の酸味を出すためでしょうか?
乳酸菌が持つ力で、発酵の手助けをしている
のは分かるのですが・・・
当然ながら、どぶろくが庶民の飲み物だった
時代にはヨーグルトなんてものは
なかっただろうし・・・
なので、次回はヨーグルトなしで仕込み、味の違いを見ようと思っています。