昨秋は、飼育している彼らの餌として、
せっせ、せっせとコオロギ取りに毎晩のように通ったなぁ。
昼間のコオロギは、すばしっこくて
捕まえるどころか、見つけるのも一苦労なのは、過去の経験から分かっていた。
盆を過ぎると、そろそろコオロギが鳴き始める。
大きさも程よく、彼らにとっては丁度いい食べごたえのあるコオロギになってくれている。
「盆過ぎ」と言っても当然暑い。
夜でも気温は下がらず熱帯夜。
蚊がいるのは分かっているが、
暑くてとても長袖を着ていく気にならない。
なので、半袖ながら
タップリと虫除けスプレーを全身に吹きかけ、イザ出かける。
それでも夏場の、しかも河原の薮蚊。
到底、一筋縄で行くはずもなく、
虫除けスプレーをしっかり塗ったはずの手足や顔は、
無残にも、いとも簡単に蚊の餌食にさらされてしまう。
いや、正確には「蚊」だけではない。
もっと小さくて目に見えず、蚊のように音を立てず
静か~に、そして強烈に刺してくる奴。
そう。ブユだ。
コイツこそ、もっとも始末に置けない奴で、
そのかゆみと言ったら、そりゃ、もう、神経を逆なでするような
おそろしい程の「かゆさ」を誘発する。
そんな痒さも我慢しつつ、やがて河原にも秋風が吹く頃になると
やっと長袖が着れるようになる。
それでも、まだ暑いには違いないのだが、
その暑さを我慢に変えた代償として、
大きな喜びをプレゼントしてくれる。
そう、「かゆさ」さからの解放だ。
長袖の効果はてきめんで、
顔と手先だけに防虫スプレーをすれば、後は安心して
コオロギ捕りに没頭できる。
小学生と保育園児の2人の娘は、私譲りで動物が大好き。
「カエルなんか、顔も絶対見たくないわ!!」と言っている嫁とは大違い。
我が家のカエルやトカゲ達とも楽しく遊んでいる。
そんな時期になると、子供たちもコオロギ取りに参加させるのだ。
自分達でとったコオロギをカエルへやりたい一心で、コオロギをとっていたであろう
彼女たちも、やがて、コオロギ捕りの快感を覚え、いつしかコオロギを捕ることが
目的に変わってきたようである。たまの休みの日など、「今日はゆっくり・・・」
と、横になり、うたた寝の寝息を上げ始めたとたん
「コオロギ捕りに行こー!」と、言ってたたき起こされてしまうのだ。
まぁ、それも1か月半の事。
10月も終わりに近づけば、恒例のコオロギ取りのシーズンも終わりを告げる。
否が応うでも、コオロギがいなくなってしまうのだから仕方がない。
やがて、我が家の飼育コオロギたちも、
次の世代へバトンタッチするために、卵を産む。
それは、小さくて分かりずらい。
そりゃ、当然だ。
小さいコオロギが、小さい卵を産むのだから・・・
長い冬が終わり、春がきた。
今年は、早くも各地で桜も咲きはじめている。
ツヅレサセ・オカメ、珍しいのではミツカドもいたなぁ。
エンマだけは、ほこのコオロギを食ってしまうので
別にしていたけど。
彼らが、孵化する日も近いだろうね。
春の暖かくて心地よく、そして何より優しい太陽が、
きっと、彼らを起こしてくれる。
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